アウシュビッツ強制収容所(ポーランド)

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2015/1/17 10:16 投稿者:  kuromame  (記事一覧)  [ 4458hit ]

強制収容所のゲート
強制収容所のゲート
強制収容所建物
強制収容所建物
問答無用で撃ち殺すという看板
問答無用で撃ち殺すという看板
 
ポーランドのクラフク中央駅のバスターミナルからバンに乗って1時間、アウシュビッツという所へ行ってきました。ここは第二次世界大戦中、ナチスドイツによって使われていた収容所です。着いたときには深い霧がかかっていて重い空気が漂っていました。ここはユダヤ人の強制収容所として有名だけど、ナチスに反対したドイツ人、ソビエト兵、インドからの移民といわれるロマの人や障害者も収容されていました。

今回はただ見てまわるよりも当時の様子を詳しく日本語で聞きたかったので有名なアウシュビッツ公式の日本人ガイドさんに日本語ガイドをお願いして見学しました。収容所のゲートにはArbeit macht frei(働けば自由になれる)という文字が書かれている。実際には自由になれる事はなく、大半の人はここへ運ばれてきてすぐに殺されてしまいました。Bの文字が逆さまになっているのは囚人が抵抗してわざと作ったものだといわれているそうです。収容所内には当時の収容所に関する様々なものが展示されています。収容者の所有物も。

他にはユダヤ人の生々しい髪の毛がそのまま残されていたけど写真は控えておきました。当時はユダヤ人の髪の毛が何グラムでいくらと値段がつけられて売られ、紙などの材料として使われていました。ここから出たものは問答無用で撃ち殺すという看板。脱走を試みた場合は連帯責任で家族まで殺されたそうです。ここでたくさんの囚人が撃ち殺されました。そのすぐ近くには首吊り用の手すりがあり、今も残っています。収容所内にはユダヤ人を殺すためのガス室があり、その数百メートルほど先には、なんとこの収容所を管理していたナチス親衛隊の将校の家がありました。驚いたことにその将校はそんな場所で奥さんと子供と一緒に幸せな生活を送っていたそうです。実はアウシュビッツには2つの収容所があり、この収容所は第一収容所。


午後からはもう一つのさらに大きなアウシュビッツ第二収容所ビルケナウに行きました。ビルケナウの門。収容所の中にまで線路が敷かれている。ナチスに捕まった人達はヨーロッパ各地からこんな貨物列車に乗り、何時間も立ちっぱなしの箱詰め状態でここまで運ばれてきました。アンネの日記を書いたアンネフランクも隠れ住んでいたオランダのアムステルダムからここへ来ました。この場所へ連れて来られた人達はまず電車から降り、ドイツ人医師によって仕分けをされます。若い男性は収容所へ、女性や子供、老人、怪我人や障害のある人はシャワー室という名の別室へ。そのシャワー室には見せかけのノズルが付いているけど、実はガス室でした。

ガス室の天井には小さな窓枠があり、そこが開くとこの毒ガスの粉が放り込まれます。そして10数分という長い間、真っ暗なガス室で断末魔を上げ、苦しみながら殺されていきました。恐ろしいことにガス室へ案内するのも囚人でした。ここへ着いた人たちを安心させるためとドイツ兵に精神的負担を加えないためです。ドイツの戦況は悪くなり、1944年に突然ソ連軍がここへ攻めてきた時、ナチスは証拠隠滅のためアウシュビッツ全ての施設を破壊しようとしましたが、潰せきれずガス室の一部が残っています。


このアウシュビッツ収容所で亡くなった人は150万人とも400万人とも言われているけど、記録が残っていないため、詳しくはわかっていないそうです。ある程度この収容所について予習してからここへ来たつもりだったものの、やっぱり実際に現場を見てみると当時のとんでもなく惨い状態が想像できてしまい、言葉が出てきませんでした。なんでこんな事になったのかな。ガイドさんが言ってたけど、ここへ来て一番そう思っているのはドイツ人なんだそうです。

確かにドイツ人といえば今まで訪れたヨーロッパの国々の中でも親切で真面目な人が多く、とても好感の持てる国民性だと思います。僕がもしそんな恐ろしい事が起こったなんて事を知らずに当時の話を聞くとドイツ人がやったなんて絶対に嘘だと言ってしまうと思う。そんなドイツは昔から医療や技術も進んでいて裕福な国だったのに第一次世界大戦で敗戦したことで大不況に陥りました。

そこで現れたカリスマ的存在のヒトラーがドイツ人の怒りの矛先をユダヤ人へもっていき、こういう流れを作ってしまったそうです。もし当時のドイツのように貧しい時代を知らない日本の僕らみたいな世代が何かの原因で大不況に陥り、不満が募っているなかでヒトラーのような人物が現れ、その人が間違った方向に導いたら日本でもそういう事が起こりえるかもしれない。そんな事が起こったら…と考えるだけでもぞっとします。本当に色んな事を考えさせられた1日でした。
 
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